OAD-TOFシステム
OAD-TOFシステムCID/OAD同時分析によるマウス肝臓中脂質の二重結合位置解析
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ユーザーベネフィット
- 正負高速極性切替機能とCID/OAD同時分析機能の組合せにより、LCMS 1ラン分析で脂質の詳細構造解析に必要な多様な情報を一度に取得することができます。 - 共溶出した脂質の構造異性体も二重結合位置の同定を行うことが可能です。
はじめに
脂質は、細胞膜の成分、シグナル伝達物質、エネルギーの貯蔵、上皮バリアの形成など、さまざまな生理機能を果たす生体にとって必須の化合物です。脂質恒常性の破綻は様々な疾患との関わりがあるとされており、体内での脂質の変化を理解するための特異的バイオマーカーの同定や病理解明を目的としたノンターゲットリピドミクスはマルチオミクス研究における強力な技術となります。脂質中の炭素間二重結合(C=C)の位置異性体は酵素選択性、生体膜の物性などに有意に影響しますが、衝突誘起解離(CID)ではこの異性体を区別することが難しいことが知られています。そのため、C=C位置異性体を区別するための技術は、各組織における脂質恒常性の機構および様々な疾患におけるその変化を理解するために非常に重要となります。
2024.02.21