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ユーザーベネフィット

ー 電池性能の向上に寄与する電池材料の粉体物性(かさ密度)を測定できます。 ー 精密万能試験機とかさ密度測定装置を用いることで、低荷重から高荷重まで広い荷重レンジでのかさ密度評価が行えま す。

はじめに

カーボンニュートラルの実現に向けて世界各国が普及を後押しする電気自動車や、スマートフォン、タブレット端末などの需要喚起により、リチウムイオン電池(以下、LiBと記載)は今後ますますの市場拡大が見込まれます。 LiBの製造工程において、集電体への塗工技術は電池特性に大きく影響します。正極・負極活物質は、バインダや溶媒と混合して集電体へ塗布・乾燥した後、充填密度を高めるためにプレスして電極を作製します。電極の厚みや質量はLiBのエネルギー密度に影響し、塗膜が厚いほど電池容量が大きく、レート特性は低下するといわれています。一方、塗膜が薄いほどレート特性が向上しますが、電池容量は小さくなるといわれています。LiBの体積エネルギー密度を向上させるためには、正極・負極活物質の充填性を向上させ、電極の高密度化を図ることが重要となります。このため、正極・負極材の密度評価は電池特性の向上において重要であると考えられ、目的とする電池性能の実現への寄与が期待できます。製造工程の圧力条件を満たすには、低い押圧から高い押圧まで粉体試料の密度変化を連続的に網羅できることが望ましいと考えられます。 本稿ではかさ密度測定装置GeoPyc、精密万能試験機AGX-V2を用いて、負極材として用いられる黒鉛粉末のかさ密度評価を行った事例をご紹介します。

2024.02.20