高速トリプル四重極質量分析計を用いたターゲットプロテオミクス法によるタンパク質過剰発現確認法

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はじめに

タンパク質発現量を人為的に増加させる過剰発現は、さまざまな研究分野で行われる実験操作です。もっともよく行われるウェスタンブロッティング法による発現確認では、対象タンパク質毎に検出用抗体を用意する必要があります。一方、ターゲットプロテオミクス法は、対象タンパク質由来のトリプシン消化ペプチドを、トリプル四重極質量分析計のMRMモードで、選択的に検出、定量する分析手法です。本稿ではホスホグルコキナーゼ(Pgk)タンパクを過剰発現した遺伝子組み換え大腸菌株の発現確認にターゲットプロテオミクス法を適用しました。既存の優れた実験プロトコルに従い、トリプシン消化サンプルを調製しました。ターゲットプロテオミクス用ソフトウェアであるSkylineの機能で、Pgkのアミノ酸配列から自動作成した110個のMRMトランジションをLCMS-8060にエクスポートしました。ナノLC-トリプル四重極質量分析計 (LCMS-8060)を用いた測定でPgkの過剰発現を確認することに成功しました。

2023.10.23

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