GCMS-TQ™8050 NX
GC-CI-MS/MSを用いた多環芳香族(PAH) 異性体の質量分離分析法
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ユーザーベネフィット
- 区別の難しいマススペクトルを有する多環芳香族異性体を分離し、擬陽性リスクの低減と分析の高速化ができます。 - 特異的なトランジションによる分離と、高強度トランジションによる高感度分析の両方が可能です。 - 夾雑の影響を受けにくく、簡便な前処理手法でも良好な回収率を得ることができます。
はじめに
多環芳香族炭化水素(Polycyclic Aromatic Hydrocarbons:PAH)はベンゼン環が2つ以上結合した化合物群であり、有機物の不完全燃焼や熱分解などで生成し、食品や環境水に混入することがあります。代表的な物質であるベンゾ[a]ピレンには発がん性があり、その他PAHの一部についても発がん性を有する疑いがあるとされています。このような理由から、PAHの一部が国内外で規制されており、GC/MS法やLC/MS法による分離分析法が公定法として使用されています。PAHはベンゼン環結合位置の違いによる複数の異性体が存在し、それらは同じ質量数を示します。これらは安定構造を持つため、EI法や、MS/MSのCID(衝突誘起解離)ではマススペクトル上で違いが確認できません。また、極性、沸点などの物性も近いため、専用カラムを用いてもクロマトグラム分離が不十分であることが課題となっています。
2023.10.03
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