REELSによるバンドギャップ測定および水素含有量の評価

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ユーザーベネフィット

- REELSにより、半導体の光学的バンドギャップを算出することが可能です。 - 最表面におけるHの含有量の相対評価ができます。

はじめに

X線光電子分光法(XPS)は、試料表面から約10nmまでの領域における元素の定性、定量、および化学結合状態の解析を行う表面分析手法の一つです。XPSは材料表面の分析において有効であり、半導体や電池材料といった材料の研究開発の分野で幅広く活用されています。一方、XPSで水素の検出はできないため、表面上の水酸基の分析を目的とする場合は、XPSだけでは評価が難しいことがあります。例えば、シリコンウエハの鏡面同士の接合には表面の水酸基が大きく影響すると考えられています。XPSではシリコンの酸化物と水酸化物を明確に判別することは難しいため、水素量を評価できる別の表面分析手法を併用し、試料を多角的に評価をすることが重要といえます。 反射エネルギー損失分光法(REELS)は、化学状態や電子構造の解析が可能な表面分析手法として注目を集めています。XPSでは困難な水素の検出が可能であり、検出器を共有できることから、近年ではXPSの装置オプションとしても搭載されるようになっています。 本報告では、XPSのオプションであるREELSを用いて半導体や有機系の高分子材料を分析した事例をご紹介します。

2023.09.26

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