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ユーザーベネフィット

- 高速度ビデオカメラHPV-X2により最高1000万コマ/secの高速度撮影が可能です。 - 数μmから数十μmのマイクロ粒子の飛翔挙動を高解像度で撮影可能です。

はじめに

金属や高分子材料のマクロな塑性変形はひずみ速度に依存することが知られていますが、その理由としてミクロな材料構造の局所的な変形挙動に大きく依存することがあげられます。なかでも速度依存性が顕著な高分子材料の超高ひずみ速度域の塑性変形挙動は明らかにされておらず、その力学的検討は、軽量かつ耐衝撃性に優れた材料開発における重要なテーマであると考えられます。そのため、マイクロ・ナノ粒子の高速飛翔および衝突実験を実現したレーザー誘起粒子衝突試験(Laser-induced particle impact test;LIPIT)が開発されました。さらに最高1000万コマ/secの撮影速度を有する高速度ビデオカメラHPV-X2を使用することで、LIPITにおけるマイクロ粒子の飛翔および衝突挙動の詳細な観察が可能となりました。 本稿では高速度ビデオカメラを用いてマイクロ粒子の高速飛翔および衝突を捉えた事例を紹介します。まずLIPITを用いて様々な種類の粒子の高分子材料への衝突実験を行い、衝突痕形状を調べました。次に粗視化分子動力学法により高速衝突現象のナノスケール解析を行い、塑性変形挙動のメカニズムを分子鎖の変形の観点から考察しました。

2023.06.27