Xctal 5000
X線観察は新たなフェーズへ位相コントラストX線CTシステムの原理紹介
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ユーザーベネフィット
- 最大Φ100 mm の視野サイズで、微細なクラックが検出可能です。 - 「繊維配向解析機能」を標準搭載しており、広視野における繊維配向観察が可能です。 - 材質の異なる樹脂製品など、X線の吸収差が小さい試料でも高コントラスト観察が可能です。
はじめに
位相コントラストX線CTシステムは、物体を透過したX線の位相変化を画像化する新しいイメージング手法です。従来のX線CTシステムでは物体を透過したX線吸収量の差を可視化していますが、本システムではX線の位相変化を検出し計算することで散乱量や屈折角に基づく材質の違いをイメージングします。これにより従来のX線CTシステムでは不可能であった広い視野での微細なクラックの検知や、高分子材料や生体組織など軽元素の高コントラスト撮影などに活用できます。さらに、本システムでは繊維束によるX線の散乱を可視化することで、最大Φ100mmの広視野で炭素繊維複合材料(CFRP)などの繊維強化樹脂の繊維配向解析が可能です。これらの機能を備えた本装置は、樹脂材料の品質管理や、生体試料や複合材料などの分野における研究・開発に有用です。 本稿では位相コントラストX線CTシステムXctalTM5000の原理および撮影事例について紹介します。
2023.05.30