ステロイドホルモン20種の一斉分析 およびエストロゲンの高感度分析

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ユーザーベネフィット

- ステロイドホルモン20種の一斉分析を測定時間15分で実施できます。 - 誘導体化によるエストロゲンの高感度分析が可能です。

はじめに

ステロイドホルモンは、分子構造内にステロイド骨格を持ち、代謝・神経伝達・遺伝子発現・生殖・血圧・血管透過性など幅広い生理現象の制御メカニズムに関わる事を特徴とする生体分子群です。近年、ステロイドホルモンを一斉分析しプロファイルとして解析するアプローチが、再生医療や発癌研究において新しい知見をもたらしており、注目を集めています。ステロイドホルモンのプロファイルを簡便に測定できるようにすることが、様々な疾患のメカニズム解明や治療法に繋がる研究を加速するものと期待されています。ステロイドホルモンの測定法として、ELISAやRIAなどのイムノアッセイ技術が広く普及していますが、測定項目の数だけ試薬キットとサンプル量が必要なため、プロファイルの解析には不向きです。さらに、イムノアッセイでは抗体の交差反応により結果が不正確になるリスクがあることから、特異性の高いLC/MS/MSによるステロイドホルモン定量メソッドが研究用途で開発されてきました。一方、生体試料中のステロイドホルモンは、エストロゲン等きわめて低濃度のものと高濃度なものとが共存しているため、定量ダイナミックレンジに優れたLC/MS/MS法であっても、一斉分析を確立するためには様々な工夫が求められます。 本報では、「LC/MS/MSメソッドパッケージステロイドホルモン」(以下、本メソッドパッケージ)を用いて血清添加試料からステロイドホルモン20種を一斉定量した事例を紹介します。本メソッドパッケージには、前処理方法および20種のステロイドホルモンの定量が可能な分析条件が収載されています(図1、2)。

2023.04.12