シングル四重極LC/MSによるピークトラッキング を用いた医薬品の類縁物質試験法開発の効率化
ユーザーベネフィット
- シングル四重極質量分析計LCMS™2050を用いたピークトラッキングにより、UVスペクトルが類似している医薬品の類縁物質の正確な同定が可能となり、信頼性の高い分析法開発を実現します。 - LabSolutions MDにより、良好な分離と分析時間の短縮を両立したLC条件の探索を効率化できます。
はじめに
医薬品中の類縁物質は安全性確保のために厳格な管理が求められており、信頼性の高い分析法の開発が必要です。分析法開発支援ソフトウェアであるabSolutions MDは、科学的な根拠とリスクを考慮し分析法を開発するnalytical Quality by Design(AQbD)に基づいた、効率的な分析法開発を支援します。AQbDに基づいた分析法開発は、分析法の初期スクリーニング、最適化、頑健性評価から成り立っています。本稿では医薬品であるモンテルカストをモデル化合物とした類縁物質試験法開発の効率化を目的とし、分析法の最適化を実施した事例をご紹介します。具体的には、各種パラメーターを網羅的に変動させた際のモンテルカストと類縁物質の分離度を視覚化(デザインスペース)し、条件の最適化を実施しました。フォトダイオードアレイ(PDA)検出器では類似したUVスペクトルを有する類縁物質の正確なピークトラッキングは困難でしたが、LCMS2050の活用でこの課題を解決できます。さらに、分離度の確保に加え、分析時間(最終ピーク保持時間)を考慮したデザインスペースの描画により、良好な分離と分析時間の短縮を同時に実現するLC条件の探索を効率化しました。