バイオマス研究における,固体酸触媒反応によるグルコース分解生成物のGC-MS分析

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はじめに

バイオマス資源のエネルギーや化学品原料への変換技術の研究において、変換収率の改善や反応プロセスの解析が欠かせません。このような解析においては、揮発性成分の同定が重要であり、定性能力に優れたGC-MSが有用です。ここでは、グルコース水溶液に固体酸触媒を加えて加熱した反応液を前処理をせずにGC-MSで直接分析した結果をご紹介します。 現在、木質系バイオマスの利用において、その約60から70%を占めるセルロースからグルコースへの変換が可能となっていす。今回の触媒反応では、さらにグルコースを原料として主にヒドロキシメチルフルフラールが生成することを確認することができました。ヒドロキシメチルフルフラールは、医薬品、化成品原料として高い付加価値を持つ化合物です。 また、乳酸などの低級有機酸化合物の存在も確認することができました。また、真空排気に差動排気方式を採用したGCMS-QP2010Ultraを用いることによって、水溶液試料をGC-MSに直接注入しても良好な結果を得ることができました。

2013.11.18

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