フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)と走査型共焦点レーザー顕微鏡(CLSM)による繊維状異物の分析

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はじめに

食品,医薬品,高分子,電機・電子など様々な業界では,製品の品質管理やクレーム対応のための異物分析や不良解析が欠かせません。これを行う際には,はじめに試料の色や形状などを観察し,最適な分析方法を選択する必要があります。 今回は異物の中でも事例の多い,繊維状異物に着目しました。繊維状異物には,綿やアクリル,ポリエステル,また,動物由来の毛等様々な種類がありますが,FTIRを用いるとこれらの同定を容易に行うことができます。しかし,動物の毛など同じ組成のものに関しては,それ以上の種類の区別は困難です。一方,CLSMでは,その試料の形状や表面の微細な状態などを観察することができます。ここでは,FTIRとCLSMを用いて4種類の繊維状異物の分析を行った事例をご紹介します。

2011.10.18