リンゴと梨の分光反射測定と多変量解析を用いた経過日数予測

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はじめに

果物は採取後時間が経つにつれて徐々に熟度が変化していきます。果物の物性がどのように経時変化するのかを調べることは重要ですが,試料の一部を切り取って調べようとすると,試料を傷つける必要があるため多くの個体を調べることはできません。そのため果物の性状検査に関して分光光度計を用いた非破壊試験がよく行われていますが,その中で糖度や酸度の検査は広く知られています。 また物性値のみならず,木から採取後どのくらい日数が経過したものであるかが分かれば熟度等の品質管理の上でたいへん有効であると言えます。果物の熟度はクロロフィル量の変化と関係があることが知られています 1),2)。今回は模擬的な実験として,クロロフィルの吸収ピークの変化に着目し購入日から後の試料の経時的な変化を調べました。購入したリンゴと梨を紫外可視近赤外分光光度計で測定した結果,試料の経過日数と反射スペクトルの変化に相関があることが分かりました。さらに多変量解析を用いて試料の経過日数を予測する式を算出したところ,リンゴに関して良好な結果が得られました。本稿ではこれらの結果を報告致します。

2013.04.07

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