FTIR によるリサイクルプラスチックの定量分析 ‒混合比算出法‒

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はじめに

私たちの身の回りには、ペットボトルやプラスチック製の容器包装材料が溢れています。これらは消費者からごみとして排出されますが、廃棄物の減量化と再資源化のために制定された容器包装リサイクル法によって、新たな原料や製品に生まれ変わります。 リサイクルプラスチックに用いられている主な成分は、汎用樹脂であるポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)の 4 種です。リサイクルプラスチックには品質基準が設けられており、一般的には試料を溶媒に溶かし、NMR(核磁気共鳴装置)で測定して成分組成を算出しますが、今回は FTIR(フーリエ変換赤外分光光度計)を用いたスクリーニング分析手法をご紹介します。定量方法としては個々の成分濃度を算出する個別算出法と、全体を 100 %として個々の成分濃度を算出する混合比算出法の 2 手法がありますが、本アプリケーションニュースでは混合比算出法を検討しました。個別算出法による検討はアプリケーションニュース No. A580 を参照ください。なお、NMR による精密分析とは異なり、この手法は前処理を必要とせず、迅速に成分組成を算出することが大きな特長です。

2024.03.14