FTIRとEDXによるプラスチックペレット(水処理用担体)の分析

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はじめに

私たちは日常生活の中で、生活用水や工業用水として大量の水を使用しています。地球上には水資源が豊富ですが、その中で私たちが安全に飲める水は大変乏しいのが実情です。したがって、廃水を再利用して飲み水を確保することが重要な課題となっています。 下水処理場における水処理の工程には、物理的に固形物などを分離・除去する一次処理(物理学的処理)と、微生物などを利用し、有機物を除去する二次処理(生物学的処理)があります。生物学的処理では、下水中の溶解・浮遊性有機物を、培養した微生物の餌とすることで酸化分解しており、プラスチックペレット(水処理用担体)は、汚水中でその表面に微生物を担持して浄化力を向上させる機能をもっています。 プラスチックペレットは、大きさは 5 mm 程度です。また、断面を観察すると多数の細孔が確認できます。プラスチックペレットは、さまざまな分野の水を浄化する役割を担う一方、大雨等で下水が溢れた際に海や河川に流れ出て、海洋ごみ(マイクロプラスチック等)となることが懸念されています。 本稿では、水処理使用前後のプラスチックペレットの FTIRと EDX を使用した分析例を紹介します。

2018.12.04

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