FTIRによる樹脂系被覆肥料の分析 –肥料の鑑定方法(2020)に準拠した分析–

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はじめに

わが国では肥料の品質保全、公正な取引および安全な施用を確保するため、肥料取締法において肥料の規格や施用基準が定められています。品質保全のために重要となる肥料の分析については、「肥料等試験法(2020)」および「肥料の鑑定方法(2020)」によって規定されています。「肥料の鑑定方法」は「肥料中の成分等を測定する分析方法とは異なり、形態の観察や使用原料の推定を行うものである」とされて おり、顕微鏡観察による同定、試薬や試験紙による肥料成分の検出、X 線回折装置による同定などが収載されていました。「肥料の鑑定方法(2020)」では、新たにフーリエ変換形赤外分光光度計(FTIR)による同定が追加収載されました。FTIRを用いた赤外スペクトル測定による定性は複雑な前処理を必要とせず、短時間で行うことができます。今回は、樹脂系被覆肥料について被覆材と種肥料の分析を行い、原料の同定を行いました。

2020.11.05

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