機械的解繊で得られたセルロースナノファイバーの形態観察

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はじめに

セルロースは、植物細胞壁の主成分である多糖類です。セルロースをナノメートルサイズまで解繊したナノセルロースの中で、幅 4~100 nm、長さ数μm 程度、高アスペクト比(100 以上)のものがセルロースナノファイバー(Cellulose Nanofiber:CNF)と呼ばれ、最先端のバイオマス新素材として注目されています。CNF は、軽量で高強度であることに加え、高いガスバリア性や吸着性、透明性などの優れた機能を持ちます。また、植物繊維由来であることから生産や廃棄に関する環境負荷が小さい素材です。今後は、自動車部材、電子材料、包装材料等への応用が期待されています。 CNF の製造には、セルロースを機械的に解繊するグラインダー法などがあり、より大量の CNF を効率的に生産する上で解繊条件の最適化が求められています。そこで、これまで重要視されていなかった解繊途中の繊維に着目し、形態観察を行いました。今回は、機械的解繊処理を行った繊維について、走査型プローブ顕微鏡(SPM)と走査型レーザー顕微鏡(LSM)を用いた形態観察例をご紹介いたします。

2018.08.22

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