オウムガイ細管の内部形状観察

はじめに

X線CTシステムを使用すると，対象物を破壊することなく，その3次元的な内部構造を観察することができます。 島津マイクロフォーカスX線CTシステムinspeXioSMX-225CTは，μmオーダの撮像分解能を有する装置であり，特に細密で複雑な内部構造を詳細に観察することができるものです。 今回は，生きている化石として有名なオウムガイの細管部分に注目して，その構造を探ってみた事例を紹介します。 オウムガイは南太平洋に生息する頭足類で，イカやタコと同じ仲間ですが，巻貝のような殻を持つことが特徴的です。しかし，この殻は巻貝とは大きく異なり内部が細かな部屋に仕切られ，細管と呼ばれる空隙を通して内部のガス圧を変えて浮力を調節しています。

2008.04.17