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はじめに

高分子材料や医薬品などの熱安定性試験は多大な時間を要しますが、熱分析装置を用いた反応速度解析を実施することで、保存時の分解(劣化)のような比較的低温で長時間をかけて生じる化学反応に対して、短時間で反応率の予測を立てること(等温解析)が可能です。また、反応の生じやすさの指標となる活性化エネルギーを求められるため、試料を安定に保存できる条件の検討も可能です。本稿では、LabSolutions™ TAを用いた反応速度解析プログラムによって、TG-DTA測定およびDSC測定によって得られたデータを基に、分解(劣化)、硬化、脱水等の化学反応の活性化エネルギーを求め、また、等温解析を行った例を紹介します。

2022.03.24