面内反転試験による薄板鋼板のバウシンガー特性評価

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はじめに

環境負荷低減の観点からの燃費向上や、電気自動車における実用性向上のための航続距離延長は、自動車開発の重要な要素となっており、車体の軽量化は一つの有効な解決手段として期待されています。CFRP など軽量高強度の新素材が注目される一方、加工性のよい金属材料も、ハイテン材の採用など高強度化への動きが加速しています。プレス加工の金型製作において、スプリングバック現象による成形後の形状不良の修正は、従来トライアンドエラーによって行われ、多大な時間とコストを要するという課題がありました。 他方、コンピューター上で製品設計シミュレーションを行うことで試作品製作の回数やコストを大幅に圧縮できる CAE(Computer Aided Engineering)解析技術が近年、様々な分野で広く利用されています。プレス加工用の金型製作においてもシミュレーションが活用されはじめており、スプリングバック現象を予測し、これを金型設計に活かすことで大幅なコスト低減を実現する手段として注目されています。 本稿では、バウシンガー効果測定治具を用いて、板厚1 mm の冷間圧延鋼板(SPCC)を座屈させることなく、バウシンガー効果を評価しました。

2021.03.28

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