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はじめに

一般に、構造用の金属の多くは繰り返し回数が 106回までは疲労強度が低下するものの、107 回以降は疲労限となり、疲労破壊しないことが知られています。しかし、焼入れや表面処理を施した高強度の金属材料では、内部の介在物が疲労破壊の起点となり、108~109回でも疲労破壊が起こることがわかってきました。一方で、近年の工業製品に求められる機能や耐久性の要求は非常に厳しいものとなっており、それに伴い工業製品を形作る金属材料に対する要求も厳しくなってきております。そのため、従来の 107回を最大の繰り返し回数とした基準では不十分であり、109 回を超える疲労試験が求められるようになっております。しかし、109 回を超える疲労試験は、かなりの時間が必要になるといった問題があります。例えば、10 Hz の周波数で 109 回の試験を行うと、約 3.2 年必要な計算になります。今回使用しました超音波疲労試験機は 20 kHz の周波数での試験が可能であり、109回の試験を約 14 時間で試験することが可能になります。つまり、109 回を超える疲労試験において、超音波疲労試験は非常に有効な測定方法となります。 今回、SNCM439 と A6063 の 2 種類の金属試験片に対して、日本溶接協会規格 WES 1112:2017(金属材料の超音波疲労試験方法)に準じた試験を行いましたので、その結果をご紹介します。

2017.04.24

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