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はじめに

炭素繊維強化プラスチッ ク(Carbon Fiber Reinforced Plastic:CFRP)は,複合材料の中でも特に比強度・比剛性に優れています。そのため,軽量化による燃費向上を目的に,航空機や一部の輸送機で使用されています。しかし,優れた力学特性を示すのは CFRP 積層板の繊維方向に限った場合であり,繊維と直行方向や層間の強度は低いことが知られています。輸送機での使用を考えると,雹や飛び石などによる積層板の面外から(層間)の衝撃負荷が加わることがあります。そのため,高速飛翔体の衝突試験は,非常に重要な試験となっています。ここで,衝突試験後の CFRP 積層板に外傷が確認できなくても,層間の強度が低いために内部で損傷していることがあります。そのため,CFRP の衝撃特性を評価するためには,衝撃時に CFRP 積層板がどのように変形して,どのような内部損傷を発生させたのかを確認する必要があります。 試験体のひずみ分布を測定するには DIC 解析が有効であり,3次元的なひずみ分布を測定するためには 2方向からの同期撮影が必要になります。今回は,高速飛翔体の衝突による CFRPの変形を2台の高速度ビデオカメラを使用して,3D-DIC解析により評価した例をご紹介します。

2021.07.30

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