
HITS-X シリーズ
撮影速度 1000 万コマ /s での高速度撮影
炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber ReinforcedPlastic:CFRP)は,複合材料の中でも比強度に優れており,航空・宇宙分野でいち早く採用され,機体重量の軽量化に大きく貢献してきました。当初は金属材料を一部置き換える程度でしか使用されませんでしたが,最新の航空機ではCFRPを中心とした複合材料が機体重量の50 %を占めています。今後の技術開発によって生産性の向上やコスト低下が見込まれ,自動車の車体などの主要部材にも普及していくものと期待されています。 材料は一般的に変形速度によりその特性が変化し,CFRPも例外ではありません。高速で移動する輸送機の部材においては,早い変形速度による特性も知る必要があるため,従来から行われている変形速度の遅い静的引張試験に加えて,最近では変形速度の速い高速引張試験の要求が高まっています。また,強度の弱い箇所の特定など,損傷許容設計の妥当性を評価するためには破壊観察も必要です。引張試験において,破壊は強度の弱い部分から始まりますが,CFRPは一瞬で破壊するため目視で確認することは不可能です。どの部分の強度が弱く,どのように壊れていくかを確認するためには,高速度ビデオカメラが必要となります。 本実験ではCFRPの高速引張試験の様子を観察しました。今回新たに開発されたHPV-Xの撮影速度は最大1000万コマ/sであり,従来機HPV-2Aの10倍の撮影速度を持ちます。そのため,以前では捉えられなかった破壊の様子を観察できるようになりました。
2021.07.30
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