ダウンロード

はじめに

再生医療の治療応用に向けて,様々な研究機関や企業により精力的な研究が行われています。近年では生体内の臓器に近い性質を再現した各種オルガノイドが注目されており、現代医療では治療困難とされた様々な臓器不全に対して画期的な治療を提供することが期待されています。この臓器機能を再現するオルガノイドは三次元的に培養する必要があり、細胞が生着するための足場材も適切な組織培養の重要な要素の一つと考えられています。 この細胞培養に用いられる足場材において、その硬さは培養における重要な要素であり、細胞の特性が足場の硬さに応じて変化する事例も紹介されています。試料の弾性率は硬さと相関があり、弾性率が高いほど硬く、低いほど柔らかいといえます。本稿では、微小強度評価試験機 マイクロオートグラフ MSTを用いて、足場材と鶏肝臓の硬さを弾性率により定量評価した事例を紹介します。

2022.04.17