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はじめに

各種の廃水処理汚泥は,再資源化の観点から,肥料として再利用されることがあります。この場合,事前に主成分や有害成分などの品質確認試験を行う必要があります。「普通肥料」に区分される肥料は,肥料取締法で,含有すべき主成分の最小量,含有を許される有害成分の最大量などの公定規格が定められています。Table 1に汚泥肥料などに含有を許される有害成分の最大量を示します。肥料の分析法は,肥料等試験法(独立行政法人 農林水産消費安全技術センター)に定められており,微量無機成分は,乾式灰化法(ひ素は湿式分解法)で溶液化した後,原子吸光法で定量を行ないます。 一方で,近年は,同時多元素分析の行なえるICP-AES(ICP発光分光分析法)が,様々な分野で活用されており,肥料分析でも期待されます。今回は,島津マルチタイプICP発光分光分析装置ICPE-9000を用い肥料の分析を行いましたのでご紹介します。ICP-AESは,同時多元素分析が行なえることに加え,高感度,かつダイナミックレンジが広い特長があります。対象成分が多い場合,また主成分から微量成分など,濃度範囲の広い分析を行なう場合,非常に効率的な分析法です。

2010.11.14

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