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はじめに

セメントは,コンクリートの原料として使われており,その化学組成は,製品であるコンクリートの品質に影響を及ぼします。特に,セメントの主成分である CaO の濃度は,コンクリートの強度発現までの時間に影響を与え,Fe2O3 やMgO,TiO2 などの微量成分はコンクリートの外観に影響を与えます。今回,島津マルチタイプ ICP 発光分光分析装置 ICPE-9820を用い,普通ポルトランドセメントと,スラグとフライアッシュを混合させたポルトランドセメント中の,元素分析を行いました。試料の前処理は,セメント協会 JCAS I-52-20001)に採用されているアルカリ溶融法を用いました。ICPE-9820は,プラズマトーチの縦方向配置と,塩が析出しにくいプラズマトーチの採用により,アルカリ溶融試料のように,高塩濃度の試料を精度良く分析できます。

2015.04.26