ICPE-9800シリーズ
亜鉛めっき液中の主成分元素から微量元素 の一斉分析:ICPE-9820
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はじめに
めっきは,製品の性能を高めるために,素材の表面に金属の薄膜を被膜する技術です。めっきの品質を維持するために,めっき液中の成分の管理はとても重要です。めっき液で管理が必要な金属成分は,主成分だけでなく,添加成分や微量成分があり,濃度は様々です。これらの金属成分を効率的に分析するには,高感度かつ,広範囲な濃度領域を測定できる分析装置が求められます。ICP発光分光分析法は,µg/L から % オーダーまでの広いダイナミックレンジを持ち,このような分析に適した分析方法です。今回,島津マルチタイプ ICP 発光分光分析装置 ICPE-9820を用いて,亜鉛めっき中の主成分元素から微量元素について一斉分析を行いました。通常のめっき液中の金属分析では,試料を 1000 倍から 10000 倍希釈し主成分元素を測定し,低希釈倍率試料で微量元素を測定しますが,この場合,希釈倍率の異なる試料が多数必要となり,分析時間が長くなります。ICPE-9820 では,塩が析出しにくいプラズマトーチの縦方向配置と,プラズマの軸(AX)/横(RD)両方向観測により,一斉分析を行うことができます。
2014.10.21