IMAGEREVEAL™ MS
3次元腫瘍細胞モデルにおける腫瘍親和性光感受性物質のマルチモーダルイメージング
ユーザーベネフィット
- MALDI-MSでの分子イメージングとLA-ICP-MSでの金属イメージングにより、新たな観点からの試料評価が可能です。 - ICP-MSの定量性を活かし、生体試料内での金属元素の濃度分布を可視化することが可能です。 - 両手法で取得されたデータはMSイメージングデータ解析ソフトウェアIMAGEREVEALTM MSを使って解析可能です。
はじめに
光線力学療法(Photodynamic Therapy:PDT)は革新的で新しい癌治療を提供します。PDTでは、腫瘍に集積性を示す光感受性物質(Photosensitizers:PS)を投与した後、特定の波長の光を患部に照射します。光によって励起されたPSは活性酸素種の形成を誘導し、活性酸素種が細胞にアポトーシスをもたらします。本研究ではPSとして、化合物5,10,15,20‐テトラキス(3‐ヒドロキシフェニル)- ポルフィリン(mTHPP)とそのパラジウム標識類似体mTHPP-Pdを検討しました(図1)。PSの開発における主要な課題の1つは、組織浸透を妨げる化合物の疎水性特性にあります。経口投与された化合物は、消化管の粘液層を通過する必要があるため、これらの化合物の浸透深さを決定することは非常に重要です。 本稿では、レーザーアブレーション-誘導結合プラズマ質量分析(LA-ICP-MS)による元素イメージング とマトリックス支援レーザー脱離/イオン化質量分析イメージング(MALDI-MSI)による分子イメージングの組み合わせを用いて、腫瘍スフェロイドにおけるmTHPP及びmTHPP-Pdの分布と濃度を調べました。
2022.03.17
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