食品・飲料
残留農薬のルーチン分析におけるデータ信頼性向上に向けたMRM スペクトルモードおよびライブラリ検索の応用
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はじめに
多重反応モニタリング(MRM)モードを用いて残留農薬の分析を繰り返し行った場合、測定結果の偽陽性および偽陰性が課題となります。この課題を解決するために表示するフラグメントイオンの数を増やすことでより簡便に農薬を特定し、信頼できるデータを報告することができます。 従来の MRM 法では一つの農薬に対して 2-3 個のフラグメントイオンを観察するのに対し、MRM スペクトルモードでは 6-10 個のフラグメントイオンのトランジションを観察しています。多くのフラグメントイオンのトランジションを取得することで、各農薬はライブラリ検索に搭載されているフラグメントイオンのスペクトルと一致しており、リファレンスライブラリの妥当性評価の整合性が向上しました。このMRM スペクトルモードを 193 種の農薬の定量・定性に用い、検出感度・直線性・再現性に妥協することなく 1291 個のMRM トランジションを使用しました。
2017.06.12