出芽酵母代謝工学株が生産するファイトケミカルの高分解能質量分析による構造確認

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はじめに

近年、微生物を用いた有用物質のバイオプロダクションの重要性が強く認識されるようになっています。バイオ燃料、バイオ化成品原料に加え、植物が生産する複雑な構造を持つ有用物質(ファイトケミカル)の微生物生産を実現することが期待されています。植物が生産するプレニルナリンゲニンは、抗酸化や抗炎症、抗インフルエンザなど様々な生理活性に加え、がんや糖尿病の治療にも有効であることが報告されており、バイオプロダクションのターゲットとして注目されています1, 2)。プレニルナリンゲニンはフラボノイド骨格を持つナリンゲニンを、プレニル化することで生合成されます。既に遺伝子工学技術を用いて、出芽酵母Saccharomyces cerevisiae に植物由来の酵素遺伝子を導入し、ナリンゲニンを生産可能な酵母株が構築されています。一方、微生物の中でナリンゲニンをプレニル化できる有用な遺伝子は、一部の植物を除いて報告されていませんでした。そこで、本研究では様々な植物や微生物から発見されたプレニル化酵素遺伝子を出芽酵母に追加導入し、プレニルナリンゲニンの微生物生産の実現を試みました。

2021.12.21

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