MALDI-8030を用いたお菓子/キャンディ中に含まれるスルホン化アゾ色素の検出

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ユーザーベネフィット

- 安価な卓上型MALDI-TOFによる、スルホン化アゾ色素のシンプルで簡単な解析がおこなえます。 - 負イオンモードで良好な分解能と精度をもつ良質なスペクトルを得られます。 - 食品に含まれる規制対象の色素の検出に役立つワークフローです。

はじめに

合成色素は食品、製薬そして化粧品産業などで広く使われる添加剤の一つです。食品産業において色素は1)食品をより魅力的で食欲をそそるものにする、2)既に存在する色を与えたり強調する、3)色の自然な変化を補正する、などの用途で使われます。それらの中でもスルホン化アゾ色素は安定性、水への溶解性および低コストのため広く用いられています。 色素はその安全性とヒトの健康への有害作用に関して、世界中の様々な団体による厳しい規制の対象となっています。例えば、アメリカでは食品、医薬品や化粧品に使用する色素の承認はアメリカ食品医薬品局(FDA)が担当しており、ヨーロッパでは欧州食品安全機関が規制しています。承認されている様々な品色素の中でも、子供の注意欠陥多動性障害 (ADHD) に関連する可能性があるとして、科学的研究に基づいてフラグが立てられているものがいくつかあります。サンセットイエローFCF (E110) 、タートラジン(E102) 、アルラレッドAC (E129) などです。これらの色素はEUで完全に禁止されていませんが、食品メーカーは懸念される色素を含む製品に警告ラベルの付与を要求されています。 本稿では、卓上型両極性リニアモード専用機MALDITOFMSであるMALDI-8030 が、これらの色素を含むことが知られている市販のお菓子/キャンディ中のスルホン化アゾ色素 (表1) の存在を検出するための能力を実証しました。色素はイオンペア抽出により選択的に抽出され1)、負イオンモードで分析をおこないました。

2022.02.17

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