トリプル四重極型LC/MS/MSを用いた鮭中マラカイトグリーンの分析

はじめに

マラカイトグリーンは繊維・紙などの工業用染料として使用されている他，日本では合成抗菌剤として観賞魚の水カビ病の治療などに使用されていますが，その発がん性や遺伝毒性，また，代謝物であるロイコマラカイトグリーンの残留性が問題視されていることから，薬事法に基づき養殖水産動物への使用は禁止されています。1981年には米国で，2002年にはEU諸国や中国でも食用関連への使用が禁止されていますが，安価で効果的であり，また，容易に入手できることから，うなぎや鮭などの養殖魚からの検出例が後を絶たず，世界的にモニタリングが強化されています。 ここでは，マラカイトグリーン，ロイコマラカイトグリーンについてLCMS-8030での定量性を確認し，さらに実試料として鮭の抽出溶液を用いて添加回収測定を行った結果をご紹介します。

2011.11.09