LCMS-8050
Skyline によるモノクローナル抗体のMRM メソッド作成
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はじめに
抗体医薬品の血中濃度定量において,従来手法であるリガンド結合アッセイでは,ターゲットに対して高い特異性と親和性を有する検出抗体を作製する必要があり,分析法の確立に莫大な時間と費用を要します。一方,LC/MS/MS による分析では抗体の作製が不要なため,分析法開発の期間とコストを大幅に削減することができます。本稿では,Skyline ソフトウェアと LCMS-8050/8060 を組み合わせ,生体試料中のモノクローナル抗体を特異的に検出するための MRM メソッド作成法についてご紹介します。 免疫グロブリンの基本構造は分子量約 23,000 の軽鎖と分子量50,000-70,000 の重鎖から構成されており,動物種によって保存されたアミノ酸配列をもつ部分は定常領域,抗体分子ごとに多様なアミノ酸配列を有する部分は可変領域と呼ばれています。可変領域のなかでも,特に抗原認識の特異性を規定する領域は相補性決定領域(CDR)と呼ばれており,抗体分子間で特にアミノ酸配列に多様性をもってます。免疫グロブリンには重鎖,軽鎖それぞれ 3 カ所ずつCDR が含まれており,血液サンプル中の抗体医薬品などのモノクローナル抗体を内因性の抗体と区別して定量するためには,CDR を選択的に検出する必要があります。
2016.04.03
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