ダウンロード

はじめに

核酸医薬開発において,アンチセンス効果やRNA干渉効果を有する多様な配列のオリゴヌクレオチドが合成されています。合成オリゴヌクレオチドの品質管理は不可欠ですが,20~30塩基程度の比較的短いオリゴヌクレオチドの塩基配列決定法については標準的な手法が確立されておらず,簡便かつ信頼性の高い分析法が求められています。 今回,酸加水分解法を用いたRNAのシークエンス解析について検討を行いました。21塩基の合成siRNAおよび2‘-O-メチル化修飾を含むsiRNAについて酸加水分解の検討を行いました。試料溶液に低分子マトリクス (3-hydroxypicolininc acid:3HPA)と酸 (trifluoroacetic acid:TFA) の混合溶液を加え,MALDI-TOF-MSにより質量スペクトルを取得しました。結果,3’末端2塩基を除いた19 mer全ての配列を同定する事ができ,さらには2‘-O-メチル化修飾されたRNAにも有効である事を確認しました。

2010.07.21