低分子医薬品
全自動前処理LC/MS/MSシステムによる一次代謝物の一斉分析
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はじめに
多数の代謝物を網羅的に解析する手法であるメタボロミクス解析は、近年、食品の機能解析や発酵生産性の改善、生理・病理機構の解明など、幅広い分野・用途で用いられています。メタボロミクス解析には、液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS/MS)などの質量分析計が用いられています。近年、メタボロミクス解析が、疾患マーカーや薬剤の効果・毒性予測マーカーの探索等の臨床研究(Clinical Research)に利用されつつあります。しかし、メタボロミクス解析のための前処理および LC/MS 分析の操作は、一般的な検体検査における操作と比べて煩雑であり、作業者の手技に由来するバラつきや作業ミスのリスクが課題となってきます。また、試料数の増加に応じて作業者の負荷が増えるため、多数の試料について測定する際には一連の分析ワークフローのなかで前処理過程がボトルネックとなることもあります。 本報では、全自動 LCMS 前処理装置 SCLAM-2000 および高速液体クロマトグラフ質量分析計 LCMS-8040 からなる全自動前処理 LC/MS/MS システムを用いて、メタボロミクス解析を臨床研究に適用する際の前処理の課題を解消できる分析例をご紹介します。
2021.03.28