血漿中薬剤のトリプル四重極型LC/MS/MSを用いた高速高感度分析

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はじめに

エンドセリン受容体拮抗薬(ERA) Bosentan,Ambrisentanと ホ ス ホ ジ エ ス テ ラ ー ゼ -5(PDE-5) 阻 害 剤 Sildenafil,Tadalafil 4 成 分 の LC/MS/MS ESI-positive mode による高速高感度分析した例をご紹介します。 これらの成分は,肺動脈性肺高血圧症(Pulmonary ArterialHypertension,以下略 PAH)の治療薬として使用されています。PAH は心臓から肺に血液を送っている肺動脈の末梢の小動脈の内腔が狭くなり,血液の流れが悪くなった結果,肺動脈圧が高くなる症状です。心臓の中で肺に血液を送っている右心室は高い圧力に耐えられません。PAH は,長期間右心室Fig. 1 に,Bosentan,Ambrisentan,Sildenafil,Tadalafil,4 成 分の構造を示しました。内部標準物質として,それぞれ Bosentan-d4,Ambrisentan-d3,Sildenafil-d3,Tadalafil-d3 も使用しました。Fig. 2が高い圧力にさらされた結果,その機能が低下してしまい右心不全になってしまうという難病です。最近では,血管を拡張させる治療薬も開発され,良好な治療成績が得られてきています。これら治療薬と他の治療薬を併用した場合の体内動態研究の為に,血漿中治療薬の迅速で微量な分析法が求められています。 高感度高選択な LC/MS/MS 法の利用により,試料である血漿の量を抑えられた結果,前処理も迅速で簡便な方法を採用でき,作業効率が向上した方法を確立することができました。

2014.11.27