コカイン、コカイン関連興奮剤、アンフェタミン、オピノイドおよびベンゾジアゼピンを対象としたライブラリサーチによるマルチターゲットスクリーニング法の開発

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はじめに

32 種類の内部標準試料を含む 90 成分の乱用薬物一斉分析法を開発しました。対象化合物は、コカイン、コカイン関連興奮剤、アンフェタミン、オピノイドおよびベンゾジアゼピンです。上記化合物に加えて、抗精神病剤のスクリーニングに応用することができます。本報告で詳述するマルチターゲットスクリーニング法(以下、MTS 法と記述)は当社の薬毒物データベースを用いて開発しました。 血液サンプルは QuEChERS 法で処理し、MTS 法をロードした LCMSTM-8060 を用いて測定しました。MTS 法で得られた結果は、LCMS-8050 による MRM 測定結果(リモージュ大病院で開発したメソッドを使用)と比較しました。MTS 法は1 つの化合物につき 2 つの MRM トランジションとその閾値に応じて実行されるプロダクトイオンスキャン(3 種類のコリジョンエネルギー)の 2 つの動作モードを組み合わせています。MTS 法で得られた各コリジョンエネルギーのプロダクトイオンスペクトルは一つのマージスペクトルに統合され、ライブラリサーチに利用することができます。 MRM の強度を閾値として実行されるプロダクトイオンスキャンは 2 つの特長を有します。まず、ライブラリサーチ結果による化合物同定の信頼性の高さです。次に、通常の MRM法と同程度の定量結果を得ることができることです。MTS法の評価および検証は、未知サンプルに含まれる化合物の検出と同定を実施する臨床毒物学ラボにおいて行われました。

2018.03.13

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