自動抽出装置を使った血漿、尿、糞便サンプルの胆汁酸39種類の迅速プロファイリング

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ユーザーベネフィット

ー 胆汁酸の種類の多さと迅速性を両立した定量メソッドです。 ー 血漿、尿および糞便の全自動前処理と組み合わせて、簡便に多検体の高感度測定が可能です。

はじめに

胆汁酸は小腸における脂肪の吸収に重要な役割を果たすほか、コレステロールから胆汁酸への変換を介して、コレステロール代謝の調節に関与していると言われています。一次胆汁酸は肝臓でコレステロールの異化作用により産生され、その多くはタウリンまたはグリシンと結合し抱合胆汁酸になります。一部の一次胆汁酸は腸内細菌によってさらに修飾され、二次胆汁酸が産生されます。 ヒト末梢血中の総胆汁酸濃度は、肝機能障害のマーカーとして知られており、血液酵素活性(ALT、AST等)とあわせて幅広く実施されています。一方、複数の胆汁酸を個別に測定した方が多彩な肝障害を鑑別できる可能性があるため、多種類の胆汁酸の一斉分析が注目を集めています。 しかし、胆汁酸の基本骨格であるコラン酸構造はMS/MSで壊れにくく、構造の違いに特異的なフラグメントイオンを測定することが困難です。化学的に類似した多様な胆汁酸を、LC/MS/MSによる一斉分析で正確に定量するためには、異性体をHPLCで十分に分離しなければならないという課題があります。 本稿では、生体試料(ヒト血漿、ヒト尿およびマウス糞便)中の39種の胆汁酸を、10種の内部標準物質を用いて定量分析しました。分析にはLC/MS/MSメソッドパッケージ胆汁酸Ver. 2を用いました。本パッケージには、LC/MS/MSでの分析のための最適化された条件、ならびに自動化試料調製プロトコルが含まれています。HPLC条件を厳密に最適化したことにより、従来困難であった胆汁酸の分離とスループット・高感度を両立することができました。

2021.08.18

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