低分子医薬品
高感度セルを用いたフォトダイオードアレイ検出器SPD-M30A による不純物分析
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はじめに
医薬品中の不純物分析においては,高濃度の主薬とともに微量不純物を検出する必要があります。このため検出器には広い直線性が求められます。 一方,微量不純物を精度良く定量するためには,高いS/N(シグナル・ノイズ比)での検出が必要となります。S/N 向上の手段としては,試料濃度や注入量を増やすことが考えられます。しかし,試料濃度を増やす場合,主薬の溶解度を十分に確保できない,加温溶解操作により成分が分解する可能性があるといった問題が起こりえます。また,注入量を増やす場合,試料溶媒の影響によりピーク形状に歪みが生じることがあります。従って,無理のない試料濃度と注入量で微量不純物を検出するには,検出器の高感度化が必須であると言えます。 今回は新型フォトダイオードアレイ検出器SPD-M30A とオプションの高感度セル(光路長85 mm)を用いた不純物分析を行い,その感度・直線性などを評価した例をご紹介します。
2021.03.28