FFF-C8030
ナノ材料中に含まれる粗大粒子の分離検出
はじめに
ナノ材料は、研磨剤、磁気データ記憶、光触媒、バイオセンシング、ドラッグデリバリーシステム(DDS)など、様々な分野で使用されています。ナノ材料に、意図しない粗大粒子(異物や凝集物)が含まれている場合、研磨剤においては仕上げ面に傷を残してしまうことや、電子部品においては成形不良・絶縁不良が発生することなどの問題が生じる可能性があります。このような問題を防ぐために、ナノ材料中に含まれる粗大粒子を検出する方法が求められています。 大小異なるサイズの粒子が混在したナノ材料を正確に計測するためには、粒子をサイズ分級することが有用です。粒子サイズで分級可能な液相分離手法としては、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)やフィールドフローフラクショネーション(FFF)が挙げられます。SECでは充填剤による排除限界で粒子径測定範囲が制限されるのに対し、FFFでは分離担体を用いずにサイズ分級を行うため、比較的広い範囲の粒子サイズに適応することができます。FFFは作用させる分離場によって、いくつかの種類に分類されます。分離場に遠心力を利用する遠心FFF(Centrifugal FFF:CF3)は、大きな粒子(~数10 µm)に対して分級が可能、分級能の調整が比較的容易といった特徴を有する優れた分析手法です。 本稿では遠心FFFユニット FFF-C8030を用いて、大小異なる粒子が混在しているシリカ粒子を分級して測定した事例をご紹介します。
2022.03.16
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