逆相クロマトグラフィーによる薬用石けん中の有効成分イソプロピルメチルフェノールの分析

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ユーザーベネフィット

- 逆相クロマトグラフィーでイソプロピルメチルフェノール(IPMP)とブチルパラベンを分離可能(分離度2以上) - 厚生労働省より制限されているIPMPの配合量(0.1~0.5%)については、蛍光検出も紫外可視吸光度検出も可能 - 高速化により、分析時間を約50%、移動相消費量を約40%に削減可能

はじめに

2015年、欧州化学機関(ECHA)がトリクロサンを含有する抗菌石けんを1)、2017年には、米国食品医薬品局(FDA)がトリクロサン等19成分を含有する抗菌石けんを販売停止としました2)。日本でも厚生労働省がこの措置に追従し、代替製品への切替を要請する旨の通知を発出しました3)。そこで代替製品に採用された代表的な成分が、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)です。香粧品試験法を参考にすると、防腐剤としてパラオキシ安息香酸ブチル(ブチルパラベン)を含む場合、逆相クロマトグラフィー(逆相モード)ではIPMPとピークが重なる可能性があり、順相クロマトグラフィー(順相モード)の採用が好ましいとの記載があります4)。しかし、順相モードは逆相モードに比べ取扱いが容易でないことが知られています。 本稿では、Shim-pack™ GIST C18を用いることで、逆相モードでもこれらの成分を分離度2以上で分離できた事例をご紹介します。同時に、蛍光検出することでUV検出に比べ約20倍の高感度分析が可能でした。また、粒子径2 µmの高速分析用カラムを用いることにより、粒子径5 µmのカラムに比べ、分析時間を約50%、移動相消費量を約40%に抑えることができました。

2020.11.29

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