医薬品中のイオン分析(その5)イオン排除クロマトグラフィーによる有機酸カウンターイオンの分析

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はじめに

カウンターイオンの違いにより,医薬品有効成分(Active Pharmaceutical Ingredients: API)としての物理化学的・薬物動態的な性質が変わるため,医薬品開発段階では様々なカウンターイオンが選択され,最適な塩が選択されています。また,合成段階で使用する触媒やイオンなどの無機不純物の残存が製品の溶解性や安定性などに影響を及ぼすことがあり,不純物としてイオンを分析することも非常に重要です。 アプリケーションニュース No. L457 では,イオンクロマトグラフィーを用いた医薬品中の塩化物,ギ酸,酢酸とトリフルオロ酢酸イオンの分析例をご紹介しました。医薬品には,前述の通り,複数のカウンターイオンが存在することから,イオンクロマトグラフィーではピークを完全に分離できない場合があります。 ここでは,イオン排除クロマトグラフィーを用いることにより,医薬品のカウンターイオンとしてしばしば用いられる有機酸である,ギ酸,酢酸,フマル酸,マレイン酸の分離選択性を高めた分析例についてご紹介します。

2016.04.14

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