サイズ排除クロマトグラフィーによるタンパク製剤の凝集体分析

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ユーザーベネフィット

- 充填剤と試料との静電相互作用や疎水性相互作用を抑制することにより、モノクローナル抗体や抗体薬物複合体の凝集体および分解物との分離が向上します。 - 高塩濃度の移動相を用いた分析でも再現性の高いデータ取得が可能です。

はじめに

タンパク質は製造や保管時の温度、pH、濃度の変化などにより容易に凝集します。モノクローナル抗体(mAb)や抗体薬物複合体(ADC)のようなタンパク製剤の凝集は、安全性や効能への影響が懸念されています。そのため、製造過程や保管によって生成される凝集体のモニタリングが行われています。一般的なモニタリングの方法として、分子サイズの大きな成分から順に溶出する分離モードのサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)による分析が挙げられます。しかし、mAbの場合は充填剤との静電相互作用、ADCの場合は充填剤との疎水性相互作用による吸着が起こり、単量体と凝集体や分解物の分離が困難になることが知られています。信頼性の高いデータ採取のためにはこれら副次的相互作用を考慮する必要があります。 本稿では、当社のサイズ排除クロマトグラフィーカラム“Shim-pack Bio Diol”を使用した、mAb、ADCの凝集体分析例を紹介します。なお、システムは高塩濃度の移動相に対し耐腐食性があり、流路内に対する試料の吸着を抑えた“Nexera XS inert”を用いました。

2022.01.29

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