Nexera有機酸分析システムと逆相分離-UV検出の分離と選択性の比較

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はじめに

有機酸は酸性を示す有機物で、その多くがカルボキシル基を持つイオン性化合物です。食品をはじめ、化学・エネルギーや環境など幅広い分野で用いられており、多成分の分析が求められています。有機酸を HPLC で分析する場合の最も簡便な方法として逆相分離-紫外可視吸光度検出(UV 検出)が挙げられます。汎用的な ODS カラムと UV 検出器の組み合わせで分析を行うことができますが、一般的に有機酸は極性が高く、ODS カラムに保持されにくいことに加え、短波長域での検出となるためサンプルによっては夾雑成分の影響を大きく受けて、正確な定量結果が得られない可能性があります。 一方、Nexera 有機酸分析システムでは、有機酸に最適なイオン排除モードで分離した後、検出感度を上げるためにpH 緩衝化試薬と混合して検出を行う”ポストカラム pH 緩衝化-電気伝導度検出法”を採用しています。分離および検出の両面で有機酸分析に最適な条件を設定することで、より感度良く、選択性の高い分析が可能となります。さらに、移動相と pH 緩衝化試薬がセットになった”有機酸分析移動相試薬キット”を用いることで、手軽に、再現性の良い結果を得ることができます。 本稿では、それぞれの分離-検出法で比較分析を行いました。その結果、逆相分離-UV 検出でも、試料によっては短時間で信頼性の高い結果が得られる一方、様々な試料に対応するためには、ポストカラム pH 緩衝化-電気伝導度検出法の選択性の高さが有効であることも示されましたので、ご紹介いたします。

2020.09.29

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