香気成分と加熱温度の関係性評価ー電子タバコリキッドの加熱発生ガス分析ー

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ユーザーベネフィット

- 香気分析用データベースのSmart Aroma DatabaseTMを用いることで簡単に香気成分の定性分析が可能です。 - HS-20 NXを用いることにより、簡便なサンプル前処理で分析できます。 - HS-20 NXは300℃までの高温加熱が可能なため、幅広い温度域においてサンプルからの発生ガス分析が可能です。

はじめに

電子タバコは近年、日本でも人気が高まってきています。電子タバコはタバコ葉を使用せず、グリセリンやプロピレングリコールに香料等が添加された電子タバコリキッド(e-liquid)を加熱して使用されます。海外ではニコチンを含んだe-liquidもありますが、日本では薬事法による規制のためニコチン入りのe-liquidは販売が禁止されており、主に様々なフレーバーの香りを楽しむために使用されています。香りを構成する香気成分は成分ごとに蒸気圧が異なるため、温度に応じて気化する香気成分の比率が変化します。このため、e-liquidの香りは温度に応じて変化することが予想されます。このような香りと香気成分の関係性を客観的に評価するためには、GC/MS法による分析が有用です。本稿では、Smart Aroma Databaseおよびヘッドスペースサンプラを使用することで、実条件に近い環境を再現しながら、試料の希釈なしの簡単な方法で香気成分を分析しました。

2022.03.09