GCMS-QP™2020 NX
GC-MSによるアルコール系手指消毒剤中の不純物分析
ユーザーベネフィット
-手指消毒剤中の不純物や、アルコール(エタノールまたはイソプロパノール)を定量できます。 -1つの分析条件で低濃度から高濃度までの広範な濃度範囲で規定不純物の測定が可能です。 -FASST分析(ScanとSIMの高速切換機能)により、手指消毒剤中の規定不純物以外の化合物を同定することができます。
はじめに
昨今手指消毒剤の需要増加により、様々な手指消毒剤が生産されています。これら手指消毒剤の品質を評価するため、米国食品医薬品局(FDA)によりGC-MSを用いた分析手法(FDAの手指消毒剤分析法)が発表されました。この分析法ではエタノールまたはイソプロピルアルコールを用いた消毒剤の評価が可能であり、FDAの手指消毒剤ガイドラインに規定されている有害な不純物をスクリーニングすることができます。さらに、不純物分析と同じ分析条件でアルコール濃度の定量も可能です。 本稿では、FDAの手指消毒剤分析法を参考に、GCMSQP2020 NXを用いて消毒用エタノール中の不純物の定量およびアルコール濃度の定量を行いました。本稿記載の分析条件を用いることで、アルコール系手指消毒剤中の不純物濃度およびアルコール濃度の測定が可能です。さらに、広範囲な濃度域で規定不純物を検出可能であり、システム適合性を十分に満たしていることを確認しました。また、スキャンモードとSIMモードを高速に切り換えるFASST分析により規定不純物以外の化合物の同定も可能です。
2023.12.25