NCI-GC/MS法を用いた血しょう中ニトログリセリン代謝物の分析

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ユーザーベネフィット

- NCI-GC/MS法は、ニトログリセリン代謝物および硝酸代謝物を高感度に検出することができます。 - ニトログリセリン代謝物と硝酸代謝物を同一のシステム構成で測定が行えます。 - 代謝物を定量することにより、ニトログリセリンの最適投与量を予測できる可能性があります。

はじめに

ニトログリセリン(GTN)は、ダイナマイトの原料などに用いられる爆発性化合物ですが、医療分野では、血管拡張を促す抗狭心症薬として利用されています。 ニトログリセリンを投与すると、肝臓や血液中でグリセリルジニトレート(GDN)やグリセリルモノニトレート(GMN)に代謝され、細胞内で二酸化窒素(NO2)由来の一酸化窒素(NO)が遊離されます。一酸化窒素がグアニル酸シクラーゼを活性化することによりサイクリックGMPの産生を増大させ、その後、細胞内Ca2+濃度を減少させて、心筋を弛緩させます。 狭心症などの持病を持つ方や急性心不全を起こした方の治療には有効な医薬品ですが、その一方で血圧低下によるめまいや立ち眩みなどの貧血症状の副作用があることから適量での処方が必要になります。 負化学イオン化法(NCI)は、化学イオン化法の一種であり電子親和性を持つ化合物の特異的に検出できるイオン化法です。電子イオン化法(EI)では感度が低い化合物でも、ペンタフルオロベンジル(PFB)誘導体化など電子親和性をもつフッ素誘導体を付与することにより、高感度で検出できることが可能になります。 本アプリケーションでは、硝酸薬としてニトログリセリンの最適な投与量を予測する目的で、ニトログリセリン代謝物および硝酸代謝物測定の分析系についてNCI-GC/MS法を用いて検討した結果を紹介します。

2022.06.13

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