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はじめに

短鎖脂肪酸は、酢酸など古くから私たちの生活にもなじみの深い化合物で、昨今では腸内細菌叢中の有用成分としても注目されていますが、一方で定量分析の難しい化合物としても知られてきました。一般的には LC-MS ではぎ酸や酢酸などは移動相に含まれているため、低濃度の定量はできません。またGC-MS では水酸基の誘導体化を行う必要がありますが、多くの誘導体化工程ではサンプル中に存在する水分を乾固させることが必要で、短鎖脂肪酸の多くはこのときに揮発してしまうことが問題となります。 そこで、水やメタノール中でもカルボン酸とアミンの縮合反応を進行させることができる縮合剤、4-(4,6-Dimethoxy1,3,5-triazin-2-yl)-4-methylmorpholinium Chloride (DMTMM)を用いて短鎖脂肪酸をアミンで誘導体化し、GC-MS で分析を行いました。また、当誘導体化を用いて分析した場合の分析システムの定量性についての評価を行いました。

2017.03.28