バックフラッシュGCシステムによるABS樹脂中アクリロニトリルの迅速分析

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はじめに

食の安全,安心にかかわる問題として,食品包装材に残留する有機溶剤が注目されています。食品の容器,包装材については,材質試験,溶出試験など食品衛生法に規格基準が示されていますが,近年では安全,安心に対する関心度の高さから,規格基準に定められた化合物以外の成分についても分析されています。その一例として,米国食品医薬品局(FDA)や欧州共同体(EU)で発ガン性物質として規制されているアクリロニトリルの測定が挙げられます。 アクリロニトリルの測定には,水素炎イオン化検出器(FID)と熱イオン化検出器(FTD)が用いられますが,材料である樹脂からの抽出液には高沸点成分を多く含むため,これら高沸点成分をカラムから追い出す時間が必要となり,分析時間が長くなります。 またFTDの場合,使用溶媒によっては検出器の安定性低下や劣化も懸念されます。バックフラッシュGCシステムは,対象成分がカラムから溶出した後,キャリアガスの流れを逆流させ,高沸点成分をスプリットベントから排出させるシステムです。バックフラッシュされた高沸点成分はカラムから除去されるため,カラムの保護や検出器の汚染を防ぐとともに,大幅な分析時間の短縮が期待できます。本アプリケーションニュースでは,バックフラッシュGCシステムによるアクリロニトリルの迅速分析についてご紹介します。

2009.07.29

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