逆相イオンペアクロマトグラフィーによるオリゴヌクレオチドの効率的な分離条件の探索と最適化

ユーザーベネフィット

- LabSolutions MDを活用することで、移動相スクリーニングや各種パラメータの検討など、LCメソッド開発にかかる作業を大幅に省力化できます。
- AIアルゴリズムにより、習熟度によらずグラジエント条件の最適化が可能です。
- 鎖長の異なる配列等、不純物を含むオリゴヌクレオチドの最適分離条件検討に役立ちます。

はじめに

アンチセンスオリゴヌクレオチドなどに代表される核酸医薬品は、主に化学合成により製造されますが、合成工程で伸長不良や欠損が生じ、目的と異なる鎖長の化合物が不純物として生じます。これらをLCで分離・精製する場合、逆相イオンペアクロマトグラフィー(RP-IP)が利用されます。しかし、移動相に使用する有機溶媒、イオンペア試薬の種類や濃度により分離パターンが変化し、その変化の挙動は配列中の塩基構成や鎖長、修飾核酸の有無などによって異なることから、目的配列の分離に適した条件に最適化することが重要となります。
本稿では、合成目的の配列のオリゴヌクレオチドと鎖長の異なる配列を合成工程由来の不純物と想定し、RP-IPでの分離条件の最適化を行いました。分析法開発支援ソフトウェアであるLabSolutions MDを活用し、「移動相の初期スクリーニング」、「移動相のpHとオーブン温度の最適化」、「グラジエント最適化」の3段階において条件探索を効率的に実施した事例をご紹介します。

 

2024.10.29