粒子は、それぞれ多様な機能・特性を持っています。さらに粒子の表面に他の材料でナノメータレベルのコーティングを施し、新たな機能や特性を持たせる努力が行われています。
コーティングを施された微粒子の機能や特性を安定化させるためには、コーティング層の厚みを測定し、適正な範囲にコントロールする必要があります。
しかし、例えば1μm程度の粒子に施された10nm程度のコーティング層の厚みを1個ずつ直接測定することは、極めて困難な作業となります。そこで、乾式密度測定法を用いて、粒子群の密度を正確に測定することによって、間接的にコーティング層の厚みを評価する方法が考え出されました。
直径1μm(=1000nm)、密度7.86(g/cm3)の球形の粒子に、密度1.41(g/cm3)の材料をコーティングしたと仮定した場合の、コーティング層の厚みと密度の関係を理論的に計算してみると、以下のようになります。
層の厚み(nm) |
密度(g/cm3) |
相対密度 |
0 |
7.8600 |
100.00 |
10 |
7.4880 |
95.27 |
20 |
7.1440 |
90.89 |
30 |
6.8255 |
86.84 |
40 |
6.5302 |
83.08 |
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実際の粒子は、ほとんどの場合、球形ではありません。 また、測定対象は1個1個の粒子ではなく、粒子群であり、得られる密度も粒子群全体の平均的な密度となります。
さらに、この方法は層の厚みを直接的に測定するわけではなく、間接的な相対評価となりますが、上記の結果は、乾式密度測定によって粒子に施されたコーティング層の厚みを評価できる可能性を示しています。
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